【心肺蘇生ガイドライン】
Q1 pulseless VTとPEAの区別はどのように判断したらよいか。
A1 概ねHR100~120回/分以上のWideQRS頻拍をVTと判断し、それよりも遅ければPEAと判断する。
Q2 自己心拍再開後に再度CPAとなった場合、特定行為の指示を取り直すべきか。
A2 自己心拍再開後に再度CPAとなり、気道確保デバイスを変更する場合は指示を取り直す必要がある。一方で、静脈路確保及びアドレナリン投与について、既に指示を受けていれば改めて取り直す必要はない。なお、判断に苦慮する場合はMC指示医師に指示を求めることとする。
Q3 食道閉鎖式エアウェイ挿入後もしくは気管挿管後に自発呼吸が再開した場合、どう対応すべきか。
A3 自発呼吸が再開し、自己抜去等の問題がない場合を除いて、気道確保器具は挿入したまま気道管理(人工呼吸器は使用不可)を行い、搬送する。自己抜去及び判断に苦慮する場合については、MC指示医師の指導・助言を求める。
Q4 気管挿管を実施する場合のデバイスとして、コロナウイルス等の感染症罹患状況に関わらず、ビデオ喉頭鏡を第一選択としてもよいか。
A4 傷病者の状態等から必要なデバイスを選択することとし、ビデオ喉頭鏡を第一選択としても問題はない。
Q5 ICDを装着したCPA傷病者に対して、ゴム手袋の装着等を含め、どのように対応すべきか。
A5 救急隊はゴム手袋を二重にして対応する。しかし、ゴム手袋を二重にしても傷病者等が濡れている場合や絶縁機能がないゴム手袋の場合は感電する可能性がある。また、ゴム手袋を二重にしても、ICDリードによる破損やそれに伴う出血・感染などは完全の予防できるものではない。
Q6 老眼のため直視下による挿管が困難な場合、ビデオ喉頭鏡の使用を第一選択としてよいか。
A6 元々見えにくいのであればビデオ喉頭鏡を第一選択としてよい(ビデオ喉頭鏡の有資格者の場合)。ただし、事前に老眼鏡を用意するなど個人の準備を怠らないこと。
Q7 CPA傷病者が自己心拍再開した場合、人工呼吸器からBVM換気に切り替えるべきか。
A7 CPA傷病者が自己心拍再開し自発呼吸を認めた場合は人工呼吸器からBVM換気に切り替える。
Q8 病院の敷地内での初回VFに対する除細動について、救急車内で実施すべきか、病院への収容を優先すべきか。
A8 初回VFの場合、病院の敷地内でも早期に除細動を実施する。
Q9 胸骨圧迫の質をどのように評価したらよいか。
A9 胸骨圧迫の質はECG波形やパルスオキシメータの脈波サイズで評価せず、ETCO₂で評価することとし、常時10mmHg以上保てるように胸骨圧迫を実施することとする。ただし、ETCO₂の値はあくまで目安であり、「1分間に100~120回の速さ、深さ5㎝程度、中断時間を最小限にした絶え間ない胸骨圧迫を行いながら」を原則とする。また、搬送中は隊員同士で胸骨圧迫の質の評価を行うこと。
Q10 CPA症例で静脈路確保及び薬剤投与の指示を受けたが、処置実施前に自己心拍及び自発呼吸が再開した。この場合、静脈路確保の実施について、改めて指示要請を行う必要はあるか。
A10 自己心拍及び自発呼吸が再開した場合、対応が心停止前輸液へと変わるため、静脈路確保を実施する場合には、改めて指示要請が必要である。
Q11 施設等で傷病者に対し、既に静脈路が確保されており、救急隊がそれらを活用する場合、どのような注意点があるか。
(1)径が細い場合
(2)輸液が細胞外液でなかった場合
(3)三方活栓がない場合
A11
(1)径に関わらず使用可能。ただし、急速輸液を遂行できない場合はMC指示医師に報告した上で、新たにルート確保の指示をもらい対応する。
(2)細胞外液に切り替えるため、輸液の内容をMC指示医師に伝え、指示を仰ぐ。
(3)三方活栓以外の不慣れな器具(プラネクタ等)は使用せず、MC指示医師の指示を仰ぐ。
Q12 CPA以外の傷病者に人工呼吸器を使用してよいか。
A12 基本的にはCPA傷病者のみの使用とする。それ以外で救急隊が必要と判断した場合は、MC指示医師に指示を仰ぐ。
Q13 AED(救急隊用半自動除細動器を含む)の機種を変更して使用した場合、機種によりそれぞれエネルギー設定が異なるため、エネルギー量の変化および減衰が考えられるが、やむを得ない事象と解釈してよいか。また、救急隊によるマニュアルモードでのAED使用は可能か。
A13 機種変更によるエネルギー量の変化・減衰は、それぞれの機種のエネルギー設定の確認も容易でないことから、やむを得ない事象と考える。ただし、救急隊のマニュアルモードでの使用については、ガイドラインに記載のあるとおり使用せず、メーカーで推奨されたエネルギー量で使用することとする。(心肺蘇生ガイドライン 5ページ 【エネルギー量】参照)
Q14 ICD留置の傷病者がVF波形を呈し、AED及びICDによる除細動が連続して起こってしまった。連続除細動が起こらないようにする方法はあるか。
A14 AED及びICDで2回連続除細動が起こらないよう注意すべきだが、実際は難しく、2回連続で除細動をしてしまう場合がある。ICDからの除細動に備え、胸骨圧迫中は感電しないようにゴム手袋を2重にして、傷病者の筋肉収縮などに注意することが必要である。
Q15 自動胸骨圧迫装置の使用時におけるアドレナリン投与後の現場離脱のタイミングはどのように判断すべきか。
A15 現場で自動胸骨圧迫装置を使用しながらアドレナリンを投与した場合、2分後の効果確認を行う必要がないため、即現場離脱する。
Q16 絶え間ない胸骨圧迫が実施されていない場合のアドレナリン投与について、どのように対応すべきか。
A16 絶え間ない胸骨圧迫が実施されていなくても、ガイドラインには「2クール(4分)で投与することが基本」と記載されていることから、決められた時間で投与する。(心肺蘇生ガイドラインP46 3アドレナリン投与後の対応 参照)
Q17 高度低体温のVF症例における現場でのアドレナリン投与はどのように対応すべきか。
A17 低体温症例のアドレナリン投与については、通常どおり実施する。
※改訂6版救急蘇生法の指針2020医療従事者用に「アドレナリンは低体温時代謝速度が低下していると考えられるので、30度以下の場合は投与しないことが望ましい。」との記載があるが、エビデンス不明のため、現行どおりとする。
Q18 PA連携で出場した消防隊に救急救命士が乗車している場合、消防隊の救急救命士が特定行為を実施することに問題はないか。
A18 認定登録されている救急救命士でMCの指示下で行われていれば問題はない。
※平成21年度救急業務高度化推進検討会報告書P147(平成22年3月 総務省消防庁 (1).pdf)に「法的位置づけについて PA 連携を行う場合に、ポンプ車で現場に到着する隊員が実施する応急処置の消防法第 2 条第9項における位置づけについては、救急隊が到着した後に救急隊長の指揮の下で救急業務が実施され、傷病者を救急車で搬送するという条件の下、救急隊員が現場に先着して救急業務を実施していると見ることができ、全体として救急業務に含まれると解される。」とあるため。消防隊が先着した場合、後着する救急隊の救急救命士による特定行為指示要請に基づき、MC指示医師から指示が得られた場合、先着した消防隊の救急救命士は当該特定行為を実施可能である。
Q19 全長20cm程度の胎児に対して、どのように現場活動すべきか。
A19 NCPRに則って活動すること。ただし、在胎22週未満であることが証明される場合には、MC指示医師に確認の上、蘇生処置を行わないことも可能である。
Q20 脳性麻痺の小児CPA症例に関し、胸骨圧迫中断基準はどのように判断すべきか。ガイドラインでは、「小児及び乳児は体動を認めた場合に胸骨圧迫を中断」となっているが、既往により体動不可である場合の判断はどうすればよいか。
A20 症例ごとの判断となるため、普段のADLを聴取した上でMC指示医師に確認する必要がある。
Q21 両上肢にシャントが造設しており、下肢でも静脈路確保困難だった場合、やむを得ずシャント血管で確保してよいか。
A21 シャント血管自体に静脈路確保をしてはいけない。両上肢にシャントが造設しており、下肢でも静脈路確保困難だった場合は、シャント側から実施することは容認しているが、MC指示医師に指示を仰ぐことが必要である。
Q22 心停止直後の痙攣時、VFを認めれば除細動を実施してよいか。
A22 一般的に会話可能な状態からVFに移行した場合、高頻度で痙攣を伴うが、痙攣(体動)を伴った場合、筋電図混入のためVFの判定は困難と思われる。心停止直後の痙攣を疑った場合はMC指示医師に助言を求めることとする。
Q23 CPA傷病者に対しての胸骨圧迫中止基準は橈骨動脈で充実に触れるまでとなっているが、自己心拍再開後の胸骨圧迫はどのタイミングで実施が適当か。
A23 自己心拍再開後の胸骨圧迫再開基準は橈骨動脈が触れなくなった時点とする。
Q24 CPA傷病者に対して、BVM換気良好の状況でも気道確保を優先した活動も許容されるか。
A24 BVM換気良好の場合、原則は静脈路確保と薬剤投与が優先される。しかし、現場活動等を踏まえ、特段の理由がある場合は、気道確保を優先させるという判断も許容される。
【脳卒中ガイドライン】
Q1 共同偏視のみでSPSS(C=2)と判断してよいか。
A1 共同偏視のみではC=2とはならないが、その旨を検証票にコメントとして記載する。
Q2 SPSSの評価について、当初の評価から変化がある場合、再評価の結果をどのように対応すべきか。
A2 SPSSの評価は接触時の状態を評価するため、搬送中等に変化があった場合は、括弧書き等で記載して当初の評価は変更しないこととする。
【急性冠症候群ガイドライン】
Q1 急性冠症候群の症例で、既往歴に肺気腫がありSpO₂が低下している場合、酸素投与はどうすればよいか。
A1 肺気腫の既往がある場合、可能であれば平素のSpO₂値を確認し、その数値を目標に酸素投与を行う。HOTが導入された傷病者では平素の酸素投与量も確認する必要がある。それらが不明であり、急性冠症候群であることが明らかであればSpO₂90%を目標に漸増する。意識レベルの低下や呼吸回数の低下などCO₂ナルコーシスの合併が疑われればBVM換気を行う。
Q2 急性冠症候群が疑われる事案で、血中酸素飽和度が98%(RA)の傷病者に対する酸素投与はどのように対応すべきか。
A2 現行のAHAやJRCのガイドラインでは、急性冠症候群でSpO₂90%以上あり、頻呼吸や起坐呼吸、心原性ショック、呼吸不全、中心性チアノーゼ、そのほかの原因による呼吸困難がなければルーチンの酸素投与を控えることを考慮してよいと記されている。酸素投与が害となるという結果の論文が皆無というわけではないが、多くの論文での結果を基にSpO₂90%以上の症例への酸素投与に有用性が見いだせなかったというのが結論である。もちろんこれは急性冠症候群ではない疾患には当てはまらない。急性冠症候群以外の心血管疾患や呼吸器疾患で酸素投与が必要であるにもかかわらず、投与がされないということは避けなければならない。そこで病状判断のための情報と時間が限られた救急隊活動中を想定している当ガイドラインでは、急性冠症候群が疑われる(確実ではない傷病者を多く含む)傷病者で低酸素血症を伴っている、または頻呼吸や起坐呼吸、心原性ショック、呼吸不全、中心性チアノーゼ、そのほかの原因による呼吸困難がある傷病者に対して、酸素を4L/分から始め94%を目標に漸増することを基本とする。一方、モニター上、ST上昇を認めるなど急性冠症候群であることが比較的確実な場合で、血中酸素飽和度90%以上あり、頻呼吸や起坐呼吸、心原性ショック、呼吸不全、中心性チアノーゼ、そのほかの原因による呼吸困難がなければルーチンの酸素投与を控えることを考慮してもよい。SpO₂94%以上あれば急性冠症候群が確実でなくとも上記の除外項目がなければルーチンの酸素投与を控えることを考慮してもよい。
【外傷救急活動ガイドライン】
Q1 妊婦の外傷バックボード固定について、どのように対応すべきか。
A1 全身固定が必要な場合、子宮を避けてベルトを渡し(子宮より足側にかけること)、固定したバックボードごと左に15度傾ける。(JPTEC改定第2版 P198 第5章 特殊病態に記載)また、判断が難しい場合は指示医師に助言要請を行う。(傷病者の自覚症状に合わせて、傾きを適宜調整する)
Q2 外傷、熱傷(化学熱傷)の洗浄において、生理食塩水を積載していない場合、ラクテックで代用して良いか。
A2 ラクテックの適応は静注のみとなっているため、使用せず、精製水や水道水で代用する。
Q3 腸管脱出時の乾燥を防ぐために被服保護が必要だが、生理食塩水を積載していない場合、どのように対応すべきか。
A3 アルミックシートやラップ等で被服保護し、早期搬送に努める。
【心停止前輸液ガイドライン】
Q1 静脈路確保について、ガイドラインに即していない場合や心原性ショックあるいは心不全により、心肺停止に変化することが非常に高い確率で考えられる場合(その後、アドレナリン投与を行うことを考慮)、静脈路確保を実施してよいか。
A1 ガイドラインに即していない場合や心肺停止に陥る危険が高ければ、ガイドラインの静脈路確保の条件にある「指示医師に指示を仰ぎたい場合」に当てはまるため、ショックの鑑別をしっかりと行い、静脈路確保の必要性や短時間で心停止に至ると考えた根拠を明確にした上でMC指示要請し、実施することが可能である。
Q2 熱中症などの外的要因で体温の高くなっているショック症例に対し、冷却した輸液を使用してもよいか。
A2 夏場に高温の車内で温められた輸液を使用すると更に体温が高くなるため、輸液が温かくならないよう冷却管理しているものであればよい。
Q3 低体温症のショック症例に対して、加温していない輸液を実施してもよいか。
A3 本来、加温輸液をすることが望ましいが、冬季は救急車内の温度も低く、冷えた輸液を実施することになってしまうため、冬季の室温輸液は低体温を助長することも考慮し、過剰に輸液が注入されないように注意する。
Q4 神経原性ショックに対する心停止前輸液を行ってよいか。
A4 神経原性ショックに対するプレホスピタルでの対応は、急速輸液を実施する以外にないため、心停止前輸液を実施してもよい。
※神経原生ショック単体であれば急速輸液はほぼ効果はなく、本来はトレンデレンブルグ体位+血管収縮薬の投与が基本である。プレホスピタルでは全脊柱固定された状態が想定されるのでトレンデンブルグ体位は不可能で血管収縮薬も投与不可能となる。この場合、出血性ショック合併の可能性も十分考慮されるため、実際には心停止前輸液を必要とすることになる。
Q5 アナフィラキシー症状(呼吸困難)を呈している傷病者に対して、ショックでない場合においても心停止前輸液を実施してよいか。
A5 呼吸困難の段階でMC指示要請を行い、症状やバイタルサインを報告してMC指示医師の判断を仰ぐ。その上で心停止前輸液を許可する。
Q6 心停止前輸液の判断は搬送先医療機関の医師とMC指示医師では、どちらに従うべきか。
A6 MC指示医師でない搬送先医療機関の医師に指示された時は、MC指示医師に連絡し、MC指示医師の指示に従うこと。(指示の調整に難航する場合、現場滞在時間の延長を防ぐため、できる限り搬送先医療機関の医師とMC指示医師との間で直接話し合いをしてもらうこと)
Q7 右室梗塞が疑われる場合の心停止前輸液はどのように対応すべきか。
A7 モニターのみが利用できる状況においてⅡ誘導でST上昇を認め、かつV4R相当誘導でもST上昇を認めた場合、または十二誘導心電図が利用できる状況においてⅡⅢaVF誘導でST上昇を認め、かつ右側胸部誘導でV3RやV4RでST上昇が見られる場合に右室梗塞と判断できる。右室梗塞と判断できた場合は心停止前輸液の適応として良い。
【参考事項】右室梗塞は下壁梗塞に合併するため、ⅡⅢaVFにST上昇がない場合には、モニターでのV4R相当誘導や十二誘導心電図での右側胸部誘導でのST上昇を確認する必要はない。
Q8 CVポート(皮下埋め込み中心静脈アクセスポート)を使用して輸液はしてよいか。
A8 CVポートを使用しての輸液は行わず、三方活栓が付いていても使用はしてはいけない。
Q9 心原生ショックの傷病者に対して、心停止するまでの間、1秒1滴の基本輸液でも心停止前輸液として対応できないか。
A9 静脈路確保して輸液することにより、前負荷を増やしてしまうことに注意が必要ではあるが、搬送距離及び状況等を考慮して、静脈路確保が必要と判断した場合には、心停止前輸液としてMC指示医師に指示を仰ぐことは可能である。
【血糖測定及びブドウ糖投与ガイドライン】
Q1 低血糖傷病者に対しての静脈路確保に伴う穿刺は2回までとされているが、MC指示医師の指示があった場合は3回目の穿刺を行ってよいか。
A1 穿刺回数が2回までとなっているのは現場滞在時間を延ばさないようにするためであり、2回目以降については指示医師に相談する。
Q2 現着前に家族によって血糖測定されており、救急隊が行う再測定に家族の同意を得られない場合はどのように対応すべきか。
A2 再測定に家族の同意が得られず、提示された測定値が50mg/dl未満であった場合はMC指示医師に助言を求める。
Q3 ダンピング症候群等の血糖測定および穿刺回数についてどのように対応すべきか。
A3 血糖を測定する理由がダンピング症候群や肝硬変の末期などの場合、MC医師に説明し、指示を求める。なお、静脈路確保のための穿刺は2回までとする。(ガイドラインP4に記載)
Q4 持続自己血糖測定器(リブレ®)について、ブドウ糖投与の参考にしてよいか。
A4 持続自己血糖測定器(リブレ®)の値は目の前で測定したと判断してもよいが、表示された数値が信用に値しない場合は、救急隊が血糖測定を行う。持続自己血糖測定器と手指から穿刺採取した血糖測定では血糖値に10分程度のタイムラグが生じることに留意する。また、持続自己血糖測定器(リブレ®)を留置した当日及び翌日は高血糖となることがよくあるため、注意が必要である。
Q5 低血糖傷病者に対し、搬送先医療機関が直近等の場合、静脈路確保のみの指示要請を行うことは可能か。
A5 ブドウ糖投与及び静脈路確保の指示要請については両方の特定行為について合わせて行うものである。よって、静脈路確保のみの指示を受けることは不可能である。ただし、両方の特定行為の指示を受けたが、医療機関到着時には、静脈路確保のみ成功した形は問題とはならない。
Q6 低血糖症例でブドウ糖投与後に意識状態が改善しない場合、血糖の再測定やブドウ糖の追加投与はどのように対応すべきか。
A6 血糖の再測定については、ガイドラインの条件に当てはまれば包括的に実施可能だが、ブドウ糖投与にもかかわらず意識障害が遷延している場合、低血糖以外の他疾患が合併している可能性があるため、血糖の再測定をする意義が乏しく、搬送時間が延長する事があってはならない。また、意識が清明であった場合はプロトコール違反となるため、搬送先の医師から指示された場合でも救急隊から湘南MCのガイドラインを説明し、再測定を実施することなく搬送する。ただし、長時間の搬送等でMC指示医師の指示があれば行っても構わない。ブドウ糖の追加投与についてもMC指示医師に指示を仰ぐこととする。
Q7 ブドウ糖投与後に意識が回復して不搬送となった場合、留置針を現場で抜去することに問題は無いか。
A7 ブドウ糖投与後に意識が回復して搬送拒否のため不搬送になった場合、抜針する際にMC指示医師又は掛かりつけの医師に連絡する。また、救急活動記録票(検証票)に抜去時間等を詳細に記録する。
Q8 医療機関搬送前に、ブドウ糖投与を実施した傷病者等が搬送拒否(辞退)等した場合の対応はどのようにすべきか。
A8 傷病者等が搬送拒否(辞退)した場合については、特定行為の指示を受けたMC指示医師に状況を詳細に伝え。助言を受ける。その結果、不搬送となった場合については、救命士報告、MCの規定する活動記録票及び各消防本部(局)の報告要領に準拠して処理を行う。
Q9 重症低体温症と低血糖を合併している場合、低体温の管理を優先して低血糖の補正はせず早期搬送をすべきか、致死的不整脈が出現するリスクはあるが現場での血糖値の補正を優先すべきか。
A9 高度低血糖であれば低血糖の補正を優先する。低体温と低血糖を併発している症例は、必要な処置をしないという方が危険であるため、愛護的に搬送及び処置をする。遷延する低血糖は脳機能予後を悪くするというデータもあるため、一度静脈路確保を実施し、確保できなければ早期に搬送する。
Q10 CPA傷病者が自己心拍再開した場合、血糖測定及びブドウ糖投与を実施してよいか。
A10 救急隊が血糖測定をする判断としては、原則糖尿病の既往があることとするが、CPAからの心拍再開後であれば他にすることがあるはずなので実施すべきでない。(CPA傷病者が自己心拍再開した場合のブドウ糖投与は、症状を悪化させる可能性がある)
【自己注射可能なエピネフリン製剤の投与に係るプロトコール】
Q1 傷病者が自己注射可能なエピネフリン製剤(エピペン®)を所持していることを確認した場合、救急田はどのように対応すべきか。
A1 アナフィラキシーを起こした場合、10分以内に心停止に至ることもあるため、傷病者本人のエピペン®所持を確認できた時は迅速に投与すること。なお、プロトコールに従い大腿部前外側に穿刺すること。
Q2 傷病者が自己注射可能なエピネフリン製剤(エピペン®)を2本所持していることが確認出来た場合、アナフィラキシー症状に対してプロトコールに従いエピペン®を1本使用した後の搬送途上で再度症状が現れた時は、救急救命士の判断で2本目を使用してよいか。
A2 原則的には、使用済のエピペン®と新たに処方したエピペン®を交換することとなっているため、2本持っていることは殆んどない。しかし万が一、2本所持している場合は、MC指示医師に2本目の使用について指示を仰ぐ。
【熱中症ガイドライン】
Q1 熱中症ガイドラインを適用する際、ショックを呈している傷病者の搬送体位は仰臥位となっているが、下肢挙上を用いても問題ないか。
A1 高度の意識障害、ショック状態の場合は仰臥位で搬送することを原則するが、呼吸・循環の急変に備えた上で下肢挙上を行ってもかまわない。
【参考】熱中症ガイドラインD熱中症の現場処置④搬送体位およびプロトコール
※上記回答はガイドラインに記述があるが、相対的循環血液量減少性ショックという病態を考慮するならば、下肢挙上は許容できると考える。しかし、ガイドラインの理解を深める意味でも、判断に迷う場合はMC指示医師に連絡し、指示を仰ぐ等の記載は必要と考える。
【中毒ガイドライン】
Q1 中毒物質のエアロゾルを吸入した場合、どのような搬送体位が望ましいか。
A1 基本的には本人が楽な姿勢で搬送する。ガス吸入の場合は肺水腫となる場合が多いので、本人が苦しがるようであれば上体を起こすとよい。
【偶発性低体温症ガイドライン】
Q1 28度以下の高度低体温症例について、救急搬送中の保温方法として、アルミックシート単独での保温か、車内の暖房と毛布を用いた保温か、どのような方法が良いか。
A1 毛布では背中からの体温喪失が考えられるため、まずは濡れた着衣があれば除去し、アルミックシートで全身を包み、車内暖房と毛布で包むようにする。
【不搬送プロトコール】
Q1 火災によるCPA傷病者の不搬送基準はどのように判断すべきか。
A1 救急隊の救急救命士は、現場最高責任者の判断の基に、傷病者に必ず接触する。
なお、傷病者が全身炭化している状況下でも、生命兆候がある場合があることから、必ず心電図モニターの観察を行った後に、搬送等の判断を行う。
Q2 最終健常確認から1時間程度のCPA症例においては、不搬送プロトコールの適用は避けるとの解釈でよいか。
A2 置かれている環境を含め総合的に評価し、傷病者の観察にあたっては「明らかに死亡している」という先入観を持たず、慎重に行うとともに観察用資器材を活用して確実に行うこととする。その他、判断に迷う場合は、MCに連絡を取り、指示・指導・助言を得る。ただし、6項目を満たさない場合、不搬送としてよいかどうかは、MC指示医師の救急救命処置不要の指示の下に判断する。
【参考】不搬送プロトコール 運用上の注意点を参照。
Q3 救急救命士以外の消防職員が登録指示医師に連絡し不搬送プロトコールに基づく指導・助言を受けることはできるのか。
A3 その消防職員が救急隊員である場合、救急隊員はメディカルコントロールの傘下にあるため、登録指示医師から指導・助言を受けることができる。
Q4 不搬送チェックリストB項目全てに該当する傷病者で家族が心肺停止に対する通常どおりの対応を希望した場合、どのように対応すべきか。
A4 不搬送について家族が納得しなければ、トラブル回避のため搬送を考慮してもよいが、不搬送プロトコールB項目全てに該当する傷病者では、特定行為の実施そのものが困難であるため、MC指示医師に状況を説明して、指示を仰ぎ対応する。
【在宅療養救急対応ガイドライン】
Q1 心肺停止傷病者に中心静脈栄養カテーテルのラインが留置されていた場合、薬剤投与を実施できるか。
A1 心肺蘇生及び拡大2行為において、静脈路確保及び薬剤投与が必要な場合、別途、末梢静脈路の確保が必要である。(在宅療養救急対応ガイドラインP7に記載)
Q2 救急救命士による気管切開チューブの再挿入及び狭窄予防として吸引チューブの挿入が可能か。
A2 救急救命士による気管切開チューブの再挿入は認められていない。
Q3 気管切開傷病者への気管カニューレからの吸引について、MC指示要請は必要か。
A3 気管カニューレからの吸引は、MC指示医師の指示・指導・助言の必要なく、実施可能である。ただし、気管切開孔または瘻孔に気管分泌液等があり判断に困るものは、MC指示医師に指示・指導・助言を求める。
Q4 CPA症例で、救急救命士が気管切開孔または気管切開チューブを介しての吸引は可能か。
A4 救急救命士はMC指示下であっても吸引操作は不可能である。ただし、MC指示医師の指示下で家族に吸引を依頼することは可能である。
【参考】在宅療養救急対応ガイドラインP6 気管切開対応プロトコール(3)注意点(抜粋)
CPAの場合の人工呼吸の手順は「気管切開対応プロトコール」参照。救急救命士はたとえMC指示下でも、気管切開チューブの抜去、交換はできないが、MC指示医師の指示を家族に伝えて実施させることは可能である。例えばBVMは接続できるが、加圧時に抵抗がある場合、気管内吸引カテーテルを用いてその開存性を確認することは可能であり、乾燥した喀痰等により閉塞していることが想定される場合、MC指示医師の指示下で家族に交換を依頼することは可能である。
※気管切開対応プロトコール 永久気管瘻、喉頭分離術後の傷病者で換気不可→家族に気管内吸引依頼との記述あり
【口頭指導ガイドライン】
Q1 重症熱傷症例について、通報時から判明していた場合、口頭指導で冷却処置を指導することは適切か。
A1 受傷部位によるが、通報内容だけで判断するのは難しいと思われる。また、手や足では冷却して良いと思うが、体幹部などを冷却する事は一般市民には困難なのではないか。
Q2 熱傷に対する冷却の口頭指導はどのように対応すべきか。
A2 5分間程度、流水で冷却をするように指導を行うこと。ただし、新生児、乳幼児及び小児は、熱傷面積が広範囲(50%以上)になると冷却により、短時間で容易に低体温になる状況もある。口頭指導においては継続観察、ふるえや容態変化時の再通報を必ず指導すること。
※口頭指導熱傷手当ガイドライン
令和4年3月31日消防救104号の口頭指導の実施基準の熱傷手当
<熱傷部位を確認し四肢もしくは局所場合>
・すみやかに水道の流水で痛みが和らぐまで10~20分程度の冷却を行う。
・衣服を着ている場合は衣服ごと冷やす。
・氷や氷水により長時間冷やすことは勧めない。
・水泡はやぶらないようにする。
・広範囲が冷えてしまう場合、低体温を防ぐために長時間の冷却は避ける。
<熱傷部位を確認し体幹若しくは広範囲の場合>
・そのままの状態で待機させる。
・すでに冷却している場合は、低体温を防ぐために長時間の冷却は避ける。新生児、乳児に対しても同様で良いと考える。
Q3 119番通報入電時、通信指令員がエピペンの使用について指示してもよいか。
A3 通信指令員はエピペンの使用に関する指示は出さないこと。あくまで、エピペン処方時に医師から受けている指示に従って対応するよう促すとともに、使用の意思を確認する。
【参考資料抜粋】
「消防機関における自己注射が可能な アドレナリン(エピネフリン)製剤の取扱い に関する検討会報告書 (平成21年8月 総務省消防庁)」
(2)通報を受けた際の対応について
119番通報の際、傷病者にエピペンが処方されていることが判明し、アナフィラキシーの可能性があった場合には、迅速な対応が求められることから、消防機関は救急出動を行いつつ、必要があれば、応急手当について口頭指導を行うこととなる。なお、エピペンの使用について、消防機関として、使用することが適切か否か判断できるものではないことから、相手が本人や家族であった場合には医師から受けている指示に従って対応するよう、また、教師からの児童生徒に関する通報であれば「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に従って対応するよう促すことが求められる現実的な対応である。
Q4 乳児に対する人工呼吸の口頭指導と評価はどのように実施すればよいか。
A4 乳幼児、小児に対しては換気(人工呼吸)を併用したCPRが推奨される。そのため、原則人工呼吸の口頭指導を行う。傷病者の大きさにもよるが、人工呼吸は口もしくは口鼻を覆うように行い、時間は1秒程度、胸上がりが分かる程度の強さとする。
【その他(救急活動)】
Q1 エマージェンシーバンテージ(救急包帯)使用時の注意点はあるか。
A1 エマージェンシーバンテージ(救急包帯)は殺菌パッドと伸縮包帯が一体となった包帯で圧迫による末梢側の虚血などに注意が必要で、末梢側の変色等を認めた場合には、その後の対応についてMC指示医師に助言を求める。また使用後に何かあった場合にはMC指示医師に報告する。
Q2 乳がんの手術歴がある傷病者の患部側と同側の腕で血圧測定を実施してもよいか。
A2 実施して問題ない。
Q3 人工呼吸器使用時、マスクを使用してよいか。
A3 使用は禁忌とする。人工呼吸器使用時にマスクで換気すると、用手での換気と違い換気抵抗があっても分からないことや換気の状態が把握できないため危険である。また、換気の状態が分からないため換気量が多く、胃、小腸、大腸等に空気が入ってしまうことがある。
【その他(DNAR)】
Q1 DNARの書面がある傷病者において、原因が外傷や窒息等であった場合にはDNARありと判断してよいか。
A1 外傷や窒息等ではDNARの除外項目に当たり、各ガイドラインに沿った活動が必要である。DNARは当該疾患の末期症状によるもので、外傷や窒息等の不慮の事故は該当とならない。疾患によらない不慮の事故で書面等を提示された場合には、その旨をしっかりMC指示医師に伝え、指示を仰ぐ。
Q2 DNAR症例で、掛かり付け医療機関の主治医からBLSなしでの搬送を指示された場合、どのように対応すべきか。
A2 主治医に説明し、BLSありで搬送する。※現在、湘南MCにはDNAR症例のプロトコールはない。
【その他(指示要請)】
Q1 気管挿管認定救命士が2人いる場合、気管挿管時の指示要請の代行は可能か。
A1 気管挿管を実施する際に内容が伝わらなければ気管挿管をオンラインで実施する意味がないため、実施者が直接オンラインで実施する。
Q2 特定行為認定中断中の救命士による指示要請の代行は可能か。
A2 神奈川県MC協議会でも特に規定等定められたものはないが、何か問題が生じた場合に責任を担保するものがないため、特定行為認定中断中であれば、指示要請も行わないほうが良い。
Q3 大規模災害時以外(山間部やトンネル等の不感地帯)の通信途絶時における救急救命処置はどのよう対応すべきか。
A3 大規模災害時以外では、通信できる場所に移動するなど、何らかの手段を用いてMC指示要請してから特定行為を行わなければならない。
※平成29年3月30日付け消防救第48号消防庁通知は大規模災害時に限るものである。
Q4 救急現場での出生時処置(臍帯クリップ切断等)のMC指示要請はすべきか。
A4 臍帯切断について、必ずしもMC指示医師に連絡しなくてもよい、判断に困った場合はMC指示医師に連絡して相談する。
※かかりつけの病院がある場合は、かかりつけ病院の医師に連絡し、臍帯の処置について確認してもよい。
【その他(救急現場に医師が居合わせた際の対応)】
Q1 医療機関内での特定行為の実施はどのように対応すべきか。
A1 医療機関内での救急救命士の特定行為の実施については、その傷病者を他の医療機関へ搬送すること(搬送途上であると判断できる)が決まっており、かつ、医師・看護師が処置できず依頼がある場合のみ実施できるものとする。特定行為を実施する場合は、MC指示医師に指示要請を行うとともに、医療機関の医師の同意を得たうえで実施すること。また、医療機関の医師の同意が得られなかった場合は、医療機関から出たあとに通常どおりMC指示医師の指示に従い実施する。
Q2 救急現場で医師と名乗る者が処置(気管挿管、静脈路確保等)を協力したいと申し出た場合、どのように対応すべきか。
A2 医師の確証が得られず獣医師や看護師の可能性もあるため、医療機関名や名前を聞き、MC指示医師へ連絡した上で指示を仰ぐ。
Q3 救急現場で顔見知りの医師が処置(気管挿管、静脈路確保等)を協力したいと申し出た場合、どのように対応すべきか。
A3 顔見知りの医師のため処置は実施して問題ないが、念のため医療機関名や名前を聞き、MC指示医師へ連絡した上で指示を仰ぐ。
Q4 救急現場にMC指示医師が居合わせ、処置(気管挿管、静脈路確保等)を協力したいと申し出た場合、その医師への指示要請や救命士に特定行為を指示した場合、どのように対応すべきか。
A4 MC指示医師が処置する事は問題ないが、勤務外のMC指示医師に対しての指示要請や指示された場合の特定行為について認められていないため、正規ルートで医療機関MCへ連絡し、指示要請を受ける。
Q5 救急現場に居合わせた医師が処置(気管挿管、静脈路確保等)を行ったが、湘南MCのガイドラインに沿わない処置であった場合、どのように対応すべきか。
A5 医師が行う救命処置については問題ないが、湘南MCのガイドラインに沿わない処置であった場合は、MC指示医師に助言を求める。
Q6 現場に歯科医師がいる場合、救急隊はどう対応すべきか。
A6 歯科医師が率先して救命処置を実施する場合、救急隊はMC指示医師に指示を仰ぎ、その指示に従うこと(歯科医師のサポートを実施する等)。
【その他(ドクターヘリ)】
Q1 DNARの傷病者が食事中に窒息した症例は蘇生対象か。また、ドクターヘリ対応となるか。
A1 蘇生対象となる。DNAR(do not attempt resuscitation)とは、悪性腫瘍の末期など、CPRの適応がない患者が尊厳を保ちながら死にゆく権利を守るために「心停止時にCPRを行わないように」とするための指示である。DNAR指示によって、現病による心停止に対するCPR以外の治療を差し控えることにはならない。ただし、ドクターヘリ対応かどうかは症例ごとの判断となる。
Q2 ドクターヘリ運航時間前の要請は可能か。
A2 基本的な運航時間は航空法に遵守して以下のように決められている。
3~9月 8:30~17:30
10月 8:30~16:30
11~1月 8:30~16:00
2月 8:30~16:30
8時以降のドクターヘリ要請については、運航可能な場合もあるため、連絡し判断を仰ぐ。
Q3 有機リン中毒症例やトルエン服用中毒症例等で、被曝等の二次災害を考慮するならば、ドクターヘリ要請は控えるべきか。
A3 揮発性有害物質の中毒患者など、へリスタッフに二次被害を及ぼす可能性のある場合はヘリ搬送を禁止している。ただし、必要に応じて要請し現場に到着した医師が危険だと判断した傷病者については、ドクターカーとして医師・看護師が救急車に同乗し搬送する。
【その他(医療機関選定)】
Q1 搬送先医療機関の選定にあたり、救急搬送困難事案(4回以上の受入照会及び現場滞在30分以上経過した場合)はどのように対応すべきか。
A1 救急搬送困難事案は、「神奈川県傷病者の搬送及び受入れの実施基準」に従い、受入医療機関確保基準(6号基準)に該当することを宣言して受入れ要請を行う。ただし、生命に影響を及ぼすような重症度・緊急度が高い症状及び病態に該当しない場合については、6号基準該当外のため留意する。
【その他(検証票記載)】
Q1 検証作業に伴い検証医師に検証票を送付する際、確定診断等を検証票に赤字等で直接追記することは可能か。
A1 消防本部で保管している救急活動記録票(検証票)の1枚目と、医療機関に提出した3枚目(複写)に齟齬がなく、内容が一致していれば、検証作業のため追記した事由が分かるように記載することは差し支えない。
Q2 気道確保器具使用時、検証票に使用時間を記載したものと手技に要した時間を記載したものが混在しているが、どちらが正しいのか。
A2 挿入完了から抜去までの時間ではなく、挿入開始から気道確保完了までの手技に要した時間を記載する。
以 上